医師の転職支援にはどんなものがある??

転職を考えるとき、まず思い浮かべるのはハローワークです。ハローワークでは求人情報を紹介し、相談にものってもらえ、面接の日取りまで決めてもらえます。ですから、一般の職業で転職を考える際、ハローワークで探すのは選択肢の一つとして有効こうでしょう。

医師が供給過剰ならば

一人前の執刀医を育成するのには、10年以上もの時間がかかるのが心臓外科。では、脳外科の場合はもっと短いのかといえば、そういったことはありません。が、外科は執刀数が多くなければ優秀な医師になることはできません。

だからといって、指導医に付いて勉強すればよいか、といえばそんなこともありません。そもそも指導医は専門医の資格を持つため、病院内の経営委員会にも積極的に出席を求められます。つまり、医師はそもそも実践の場で、鍛えられるしか方法はありません。

これが、建設現場や設計といった仕事の場合は、きちんと指導する立場の人間が常時付いています。建築にも建設現場にも、様々な法律の規則があり、職人の安全教育から技術指導まで、同業他社との関わりがありますので、規則はシビアに守るのが当たり前なのです。

ですが、医業の世界はどうでしょうか?外側から見ているだけでは、内部の情報が全く把握できません。臨床のスキルはあっても、モンスターペンシェントとのコミュニケーションは上手く行かない。そうした患者を病院全体として、どう扱うかの基準がない。准看護師と看護師の人間関係が悪く、結局医師が責任を負わなければならない。

医師によっては、派閥の一員として行動しなければならず、本来の研究とは無縁の部分で体力を使う。また、院長の娘との見合いをさせられ、立場が非常に孤立してしまう…実際にある医療の世界は、あまりにも小さな狭い社会の重ね合わせであることが多いのです。

かといって、熾烈な競争があるのかといえば、さほどのこともないのがこの世界です。もし、医師が供給過剰ならば、誰もが必死で職に就こうとしますから、就職斡旋企業の力を借りることになるでしょう。ですが、実際にはそういうことにはなりません。医科大学の新設は昨今認められていないからです。

となると、転職を希望するタイミングは、やはり「医療機関」の問題が一番大きいことになります。経営陣が原因となるケース。あるいは組合が原因となるケース。この場合は、医師個人ではどうすることもできないし、そうしてことに囚われるのも不幸なことでしょう。だとすれば、残された患者のことを考えあぐねることと、自分の将来を不安に思うならば、ぜひ転職を進めることに主眼を持つことをお勧めします。どうにもならない局面こそ、タイミングであるといってよいのですから。